税理士法人の皆様

元国税調査官(資産税担当)の不動産鑑定士

私は、不動産鑑定士になる前、資産税専門の国税調査官でした。ご存じのとおり資産税とは、相続・贈与税や個人の譲渡所得税を中心とした税務分野で、不動産鑑定士の業務とも大いに関連するところです。

相続・贈与税と不動産鑑定

まず、相続・贈与関連で不動産鑑定士が関わることが多いのは、毎年公表される「相続税路線価」(正式には「財産評価基準書」)の元となる標準地価格の鑑定評価と、個別の路線の価格に対する「精通者意見価格」です。

現在、地価公示・地価調査・相続税路線価・固定資産税路線価のいずれの公的評価においても、私たち不動産鑑定士の「鑑定評価」が活用されています。但し、これらの鑑定評価は、個別の不動産全てについて行われているのではなく、状況が類似する地域毎に標準地を設定して、それに対する鑑定評価という形で行われています。また、公表される相続税路線価の水準は、鑑定評価額(公示価格ベース)の8割、固定路線価の水準については、鑑定評価(同)の7割を基準として価格が付されています。

このように、不動産鑑定士は、不動産の公的評価において重要な役割を演じており、私も長年にわたりこのような公的評価に携われていることを幸せに思います。

税理士法人の皆様は、関与先の会社・個人が保有する不動産について、その資産価値をざっくり把握するため、あるいは営業用資産の減損の兆候を判断するため、周辺の公的評価額を効率的に把握しておこうとお考えの方もいらっしゃると思います。県内地価に精通する不動産鑑定士にご相談頂ければ、きっと有益な情報を提供できるかと思います。

また、相続財産の評価に当たって準拠すべき財産評価基準書は、標準的な画地を想定した価格水準である路線価に、個別不動産の個別的要因である補正を施して評価額を求めるものであり、実際の市場価格とはズレる可能性も否定できません。大規模地、不整形地等、標準的な画地と大きく異なる画地の評価に当たっては、一度不動産鑑定士にご相談下さればと思います。

譲渡所得と不動産鑑定

次に、譲渡所得税関係ですが、通常第三者間取引の場合、当事者間で交渉のうえ成立した価格は、明らかにそれが恩恵的である等、特別な事情がない限り客観的な不動産の価格として認められます。しかしながら、それが親子間、同族法人-役員間での取引であった場合には、その取引価格が客観的な市場価格であることを説明する必要性が生じてきます。また同族法人でなくとも、売買担当者の社内における説明責任や株主に対する説明責任等の観点からも、不動産の鑑定評価が取られるのが通常です。

譲渡所得に際して鑑定評価を行う場合には、例えば土地であってもそれが更地での評価になるのか、建付地なのか、底地なのか、あるいは地上建物が同族関係等にある場合にそれを底地として評価すべきなのか、更地として評価すべきなのか、さらには客観的な市場価値として常に正常価格だけを考えていれば良いのか等、税務通達への理解が必要となる場合も多くあります。

事業承継とも関連が・・・

これは実際にあった話ですが、ある会社が元々創業社長の土地の上に工場等を建てて始まり、その後業務の必要に応じて、個人名義及び会社名義の土地・建物を逐次増やしていった結果、会社不動産と個人不動産の所有形態が複雑になり、事業承継に当たって問題が生じることとなりました。スッキリさせるため、名義を会社に統一する場合には当然有償・無償を含めた譲渡という形式を取らざるを得ない訳ですが、このような複雑に入り組んだ不動産を整理し、その来歴に応じた適正な鑑定評価を行うには、不動産鑑定に対する十分な経験と、税務に関する基本的な理解が必要となります。事業承継やM&Aにおいては、複雑に絡み合った権利関係の整理が必須となっていくと思われ、今後ますます重要性が高まっていくと思われます。

ビジネスパートナーとしての不動産鑑定士

AIの進展により士業はその多くの業務分野が人工知能等に取って代わられるとも言われています。しかし専門家としてのノウハウを蓄積したコンサルティング業務は、そう簡単には機械に取って代わられることはないと思われます。

税理士業は法人税・所得税・相続税・消費税等高度な専門性を要求される税実務のみならず、顧問先への経営関与といった幅広い知識・経験が要求されるコンサルティング業務にも携わることと思います。外部の他の士業・専門家との連携・ネットワークは、業務を効率的に推進するとともに、新たなビジネスチャンスを生み出し、事務所生き残り戦略にも資するものと考えます。

新潟への進出の際は、ビジネスパートナーとして是非お声がけ下さればと思います。

具体的な鑑定等のご依頼がなくても、例えば、減損兆候判定での継続的な情報提供や評価の枠組み作り、顧問先企業の保有する不動産に関するご相談等、お気軽に当事務所をご利用頂ければと思います。

また、具体的に鑑定評価等のご依頼・ご紹介の運びとなった場合には、報酬につきましても格別に対応させて頂きたいと思います。ちなみに、これまで税務疎明資料として鑑定評価書を発行させて頂いた案件で、税務当局より質問等のアクションのあったものはございませんが、万一そのような質問を受けた場合には、アフターサービスとして無料で、説明資料等の作成を致します。